Case Study

現場力を喚起する

株式会社ウテナ 様

アメーバ経営管理システム として fusion_place をご活用

株式会社ウテナ様の「ウテナ」とは、花の萼(がく)という意味です。萼は、花びらの陰に隠れた目立たない存在ですが、美しい花を咲かせるためにはなくてはならない大切な存在であり、「美しいものを支える土台」になりたいとの精神から1927年に創業されました。人間の美しさや魅力を最大限引き出す使命を忘れず価値あるヒューマンケア商品を提案し続けておられます。

ウテナ様ではアメーバ経営管理システムとして fusion_place をご活用いただいています。DX の考え方、アメーバ経営管理の事例についてお伺いしました。

お話しを伺った方

常務執行役員
兼 経営統括部部長
兼 経営企画部部長

栗原 健治 様

経営統括部
経営企画部
経営企画課課長

小林 悠介 様

【ポイント】
・アメーバ経営管理システムとして fusion_place をご利用
・ウテナ様の考える DX
・アクションに繋がる詳細ベースでの管理

インタビュー

━ 導入の背景・導入前の課題についてお聞かせください

栗原様

従来、年次予算を一度策定すると、その後は年間で固定された予算を実行していくのみで、柔軟性に欠ける状態でした。そこで、各部門が業績採算を意識し、数値を見て行動を模索し、次のアクションをとる意識改革が必要だと考え、アメーバ経営の考え方を取り入れました。

当初は Excel でアメーバ経営管理を運用していましたが、管理側で採算表を作成し、各アメーバへ配付→現場側で明細ベースで入力・見直し提出→管理側でバージョンごとに集計・分析、といった作業を Excel で行うのは、現場、管理側の両方で大変な労力がかかり、PDCA のサイクルを迅速に回すことが困難であり、この点の解消が課題でした。

━ fusion_place を選定された理由を教えてください

栗原様

前提となる考え方として、弊社における DX は、永続的に価値を享受できるような仕組みと考えています。クラウド化により永続的に技術的キャッチアップが可能であることや、管理者およびユーザーがアクセスしやすく、かつ柔軟に可変することができる仕組みを利用し続けることによる価値の持続的享受が必要です。

将来の業務のあるべき姿を見据えて、技術進歩を享受しながら進んでいくためには、これからのシステムベンダーは、単なる製品の説明者ではなく、会社の将来の方向性を共有でき、我々の提案を厳しく吟味し、時には指摘もし、望む方向にガイドしてくれる存在であることが必要で、それができるフュージョンズ社を選定しました。

身の引き締まる思いです。弊社ホームページでも、単純な fusion_place のアピールだけではなく、お客様がめざすべき方向性やコンセプトを詳しくご提案しております。

━ 製品である fusion_place についてはいかがでしょうか。

栗原様

前々職で fusion_place を利用しており、機能、柔軟性、対応力から、これ以外のシステムは考えられなかったというのが正直なところです。

アメーバ経営では、毎月、全アメーバ組織が、詳細な明細を入力し、PDCA を回します。fusion_place は、提出・集計・分析をまさに得意とするところで、本来やろうとしているアクションに到達できると判断しました。

アメーバ経営では、時間当たり採算などの概念も必要ですが、fusion_place であれば、難なく対応できることも分かっていました。また、組織を PC(プロフィットセンター)と NPC(ノンプロフィットセンター)に区別するのも Excel だと煩雑ですが、fusion_placeでは、組織構造として、財務上の組織ツリーの他に、アメーバ用ツリーを保持することで簡単に実現できます。

━ 導入プロジェクトについてどのように進められましたか。また、苦労されたことはございますか。

弊社のセミナーにご出席いただいた際に、お声がけしたのが最初でしたが、その時点で、すでに無償版を使って勘定科目や部門などのマスタ登録ができている状況でしたね。

栗原様

そうですね。無償版は、自らのイメージを試しつつ、すぐに形にできる fusion_place ならではのメリットです。その後、プロジェクトを立ち上げて、フュージョンズ社のコンサルタントとアメーバ経営の考え方をどのように盛り込んでいくか、ディスカッションしながら進めていきました。

業務整理できている部分については、Excel から fusion_place に移行するのは容易でしたが、しっかりとした考え方を持っていない部分については、検討に時間をかけ、どう構築するか丁寧に進めることができました。

例えば、売上、原価、経費、時間等を入力することは決まっていましたが、入力画面をどのような構成、レイアウトで用意するのがよいのか、PDCA を適正に回すにはどのような帳票を提供するのが良いのか、現場の社員の見え方はどうしたらわかりやすいか、複数の版ができる状況において混乱なき運用をどう実現するか、についてはかなり議論しました。

あとは、権限管理ですね。人件費のような一部の社員に公開する勘定科目について、「入力させる/させない」、「見せる/見せない」等のルール決めも、fusion_place は対応力がありなんでもできてしまうので、複雑化しないよう、できるだけシンプルな形の運用を意識しました。

━ fusion_place でアメーバ経営管理をどのように運用されていますか

小林様

fusion_place のユーザー数は40名程度で、アメーバの単位となる課や部の管理職の数とほぼ同じです。業務としては、MP(マスタープラン)は年次、予定実績は毎月見直しています。

アメーバの特徴的な処理として、内部の経費振替や時間の付け替え、共通費や NPC の経費の配賦、社内売買があります。

fusion_place では、「財務会計の勘定科目」の他に「アメーバ特有の勘定科目」を保持しています。例えば、部門間で手数料を授受したり、調達部門と販売部門の間で商品を売買する形をとっていて、それらは財務会計に含まれないのでアメーバ特有の勘定科目で処理しています。

組織体系としては、財務会計上の組織とアメーバ管理用の組織の両方を保持しています。後者はアメーバ管理対象の事業、組織だけに限定しています。先日、課を3つに分ける組織変更を行ったのですが、組織ツリーの設定を工夫することで、分割前(前年度)と同じベースで比べることもでき、もちろん今年度の組織体系でも管理でき便利でした。各課の課長とも、ツリー構造をみながら、具体的な説明、相談ができるので話も早いです。

内部振替処理は、fusion_place から Excel-Link でベースとなる数値を Excel に出力し、振替の数値を作成して fusion_place に戻しています。配賦処理も同様です。どちらも処理がブラックボックス化しないようシンプルな形で運用しています。

━ fusion_place との連携システムについて教えてください

栗原様

OPEN21 SIAS という会計システムと連携しています。fusion_place 導入当初は他の会計システムを利用していましたが、電子帳簿保存法対応のためリプレースしました。東京オリンピック時のテレワークを見据え、2020年3月に稼働開始したのですが、ちょうどコロナ渦での緊急事態宣言がでる直前にリリースでき、タイミングがよかったです。

小林様

OPEN21 SIAS には財務会計データのみ入っています。そこから管理会計に必要なデータを fusion_place に取り込んで、アメーバ経営管理の処理は fusion_place の中で完結させています。

━ fusion_place をアメーバ管理会計システムとして運用されてみて、率直なご感想をお聞かせください

栗原様

とにかく透明性が高くなり、話が早くなりました。例えば、社長から、ある部門の予算について説明を求められた際も、その場で明細ベースで説明できますし、議論のなかで新たな問いが生じた場合においても、フォーム( fusion_place の入出力画面)での明細へのドリルダウンを用いて回答できたり、Excel-Link を用いて新たな見方をその場で可変しながら対応することもできます。

現場では、導入当初、不満もあったかもしれないですが、運用の中で部課長間でのコミュニケーションが円滑になるなど、fusion_place 導入によるメリットを感じてくれています。

アメーバ経営は PDCA のアクションサイクルを適宜適正に回す必要があり、そのためには、弊社の DX の考え方でもお話ししましたが、みんながデータにアクセスし継続的に価値を享受しうる仕組みでないといけませんが、fusion_place は、安定性、パフォーマンスもよいですし、当社の社名の由来である「花の萼」のように、実務を支える頼りになる存在であり続けてくれています。

少し大げさかもしれませんが、Excel の代替としての延長線上に留まらず、発想・文化・風土を変え、利用する社員すべての行動を変える良いきっかけとなっています。

小林様

前職では、会計システムの管理会計機能を利用していましたが、勘定科目単位の情報しかないので、別途、Excel で差異分析資料をもらっていました。現場にも負担がかかるし、こちらもタイムリーに把握ができませんでした。fusion_place には明細レベルでデータが入っているので、現場とのコミュニケーションが円滑になりました。

fusion_place は情報にアクセスがしやすいので、みんなが情報を見るようになり、見るので認識し、認識するので考えるようになる、といったよい循環になっています。

━ 今後の課題や展望をお聞かせください

栗原様

フォームについては、運用の中で実際に使うものが限定されてきたので、絞り込みや改善を考えています。また、fusion_place を使ったらこれができる、といった現場側の発想を喚起するような動きをしていきたいですし、個別の商品業績や在庫管理の情報を取り込むことで、現場支援を続けていきたいですね。フュージョンズ社とも意見交換しながら、改善してきたいと思います。

小林様

さきほど情報が見える、とお話ししましたが、今見えているもので充分なのか、みんながより考えるための助けになる有用な情報の見せ方ができないかについて考え、改善していきたいです。

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